SSL II

最終更新日:2018年6月13日

SSL II (Scientific Subroutine Libraly II) は富士通株式会社提供の数値計算サブルーチンライブラリです。 アルゴリズムの面では精度的に安定な手法を採用しプログラミングの面では速度向上に重点がおかれています。 流体力学・構造解析・分子化学・核融合などの分野の大規模数値シミュレーションでは、連立1次方程式・固有値計算・フーリエ変換などの計算に要するコストがプログラム全体のかなりの部分を占め,この部分を高速化することが全体のスピードアップになることが多いことから、これらのライブラリを積極的に利用することで格段の性能向上が期待できます。


利用環境

システム・バージョン・利用範囲

  • サブシステムA
  • バージョン 九州大学構成員 学術研究機関構成員 民間利用の方
  • サブシステムB
  • バージョン 九州大学構成員 学術研究機関構成員 民間利用の方

利用方法

SSL IIの種類

SSL IIは富士通のFortran/C/C++コンパイラから利用可能です.

ライブラリ名 説明
SSL II スレッドセーフな逐次計算向け数値演算ライブラリ
線形計算、固有値・固有ベクトル、非線形計算、極値問題、
補間・近似、Fourier変換、数値微積分、微分方程式、特殊関数、
疑似乱数など、Fortranから利用可能
SSL II スレッド並列版 共有メモリ型並列計算アルゴリズムを採用したスレッド並列版
連立1次方程式の直接解法・反復解法、逆行列、固有値問題、
Fourier変換、擬似乱数など、Fortranから利用可能
C-SSL II SSL IIの逐次版のC言語インタフェイス
スレッドセーフ機能
C-SSL-II スレッド並列版 共有メモリ型並列計算アルゴリズムを採用したスレッド並列版
SSL II/MPI 3次元Fourier変換サブルチン、MPI並列版
高速4倍精度基本演算ライブラリ 倍精度の値を double-double 形式で表現し高速に演算を行うライブラリ群

富士通コンパイラによる翻訳時オプションは以下の通りです。 SSL II, C-SSL IIライブラリは、逐次機能とスレッド並列機能を持ちますが、 サブルーチン名が異なるため混在して利用可能です。


SSL II系オプション一覧

利用ライブラリ 並列性 指定オプション 備考
SSL II
C-SSL II
逐次 -SSL2 -SSL2 もしくは -SSL2BLAMPどちらでも結合可能。
リンクする BLAS/LAPACKに応じて指定
スレッド並列 -SSL2BLAMP
SSL II/MPI MPI 並列 -SSL2MPI 同時に -SSL2 または -SSL2BLAMP を指定

例1) 逐次版SSL IIを利用する

$ frt -Kfast -SSL2 sample.f90

例2) スレッド並列版SSL IIを利用する

$ frt -Kfast,openmp -SSL2BLAMP sample.f90

例3) 逐次版C-SSL II を利用する

$ fcc -Kfast,openmp -SSL2 sample.c

例4) SSL II/MPI を利用する

$ mpifrt -Kfast,openmp -SSL2MPI -SSL2 sample.f90

参考資料

マニュアル

SSL II ライブラリの機能の詳細はITO Portalのマニュアル欄から参照可能な 「数学ライブラリの利用手引」 を参照願います。

注意事項

SSL II を利用して得られた結果を公表する場合には 使用プログラム名について言及することをお願いいたします。