九州大学　情報基盤研究開発センター　研究用計算機システムニュース　　 No.337
 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 2015.1.7

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|1.富士通Fortran/C/C++コンパイラの実行結果異常について                     |
|  (スーパーコンピュータシステム, 高性能演算サーバシステム)                |
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１．富士通Fortran/C/C++コンパイラの実行結果異常について
    (スーパーコンピュータシステム, 高性能演算サーバシステム)

スーパーコンピュータシステムFX10, 高性能演算サーバシステムCX400 の Fortran, C,
C++ コンパイラにおいて，実行結果異常となる障害が3件見つかりました．障害は以下
の条件をすべて満たした場合に発生するもので，富士通製の Technical Computing
Suite の Fortran(障害3のみ), C, C++ のみが該当します．障害修正時期は未定です．
心当たりのある方はセンターまで( E-mail: request(at)iii.kyushu-u.ac.jp)
ご相談ください．

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障害1【番号: PH04155】C/C++

●現象と条件
  以下の条件をすべて満たした場合，実行結果に誤りが生じることがあります．
  (1) 翻訳時オプション -Kparallel が有効である．
  (2) 翻訳時オプション -Kloop_part_parallel が有効である．または，
      最適化指示子 loop_part_parallel が有効である．
  (3) while ループ，do-while ループ，または if-goto ループが存在する．
  (4) (3)のループの終了条件は，以下の (4.1)～(4.4) に該当する．
   (4.1) (3)のループの終了条件は，変数と式を比較している．
   (4.2) (4.1)の変数は整数型である．
   (4.3) (4.1)の式は定数または，(3)のループで不変である．
   (4.4) (4.1)の変数はループ中で一定の値を加算または減算している．
  (5) (3)のループ制御変数(*1)の初期値は，(3)のループの直前で代入されている．
  (6) (5)の文の直前に，ループまたは if 文が存在する．
  (7) (5)のループ制御変数は，(3)のループの終了後に参照される．
  (8) (3)のループ中に，自動並列化が可能な文が存在する．（ループの回転を跨いだ
      データ依存がない）
  (9) (3)のループ中に，自動並列化が不可能な文が存在する．(ループの回転を跨いだ
      データ依存がある場合など）
 (10) (3)のループはコンパイラの最適化によって部分的に並列化される．(*2)

 *1：(4) の条件に該当する変数
 *2：部分並列化が適用された場合，該当ループに対して翻訳時メッセージ
     jwd5005p-i または jwd5016p-i が出力される．

  ＜プログラム例＞
    if (x == 0) { }        /* 条件(6) */
    i=1;                   /* 条件(5) */
    /* ループA */
    while(i<100) {         /* 条件(3),(10) */
      a[i] = a[i]+1;       /* 条件(8) */
      b[i] = b[i-1]+1;     /* 条件(9) */
      i++;
    }
    printf("%d\n",i);      /* 条件(7) */

●回避方法
 以下のいずれかの方法で回避できます．
   a) 翻訳時オプション -Kloop_nopart_parallel を指定する．
   b) 翻訳時オプション -Kocl を指定し，かつソースプログラムの対象ループ
      (ループA)に最適化指示子 loop_nopart_parallel を追記する．


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障害2【番号: PH04411】C/C++

●現象と条件
  以下の条件をすべて満たした場合，実行結果に誤りが生じることがあります．
  (1) 以下の翻訳時オプションが全て有効である．
     - -O2 以上 (*1)
     - -Krdconv (*1)
     - -Klib (*1)
     - -Kunroll (*1,*2)
  (2) ソースプログラムにループが存在する．
  (3) (2)のループ制御変数が long型または unsigned long型で宣言されている．
  (4) (2)のループ中に char型または unsigned char型の配列に対するメモリアク
      セスが存在する．
  (5) (4)の配列アクセスは(3)のループ制御変数に依存している．
  (6) (2)のループ中に memcpy関数を使用している．
  (7) memcpy関数の第3引数に，(5)と同一のループ制御変数を指定している．

   *1: 翻訳時オプション -Kfast で誘導されます．
   *2: 翻訳時オプション -O2 以上で誘導されます．

  ＜プログラム例＞
  void foo(char *x, char *y, char *z, int n) {
    long i;                 /* 条件(3) */
    /* ループA */
    for (i=0; i